つくば未来センター設計者に聞く

建築事業本部 設計部長 清水 一夫
東日本建築事業部 設計部 意匠担当主任 米岡 真奈美

最新の配慮をほどこした空調設備

清水 : また、天井が高いと、室内の空気の量も多くなります。同じ面積のオフィスの約1.5倍の空調能力を必要とします。このままでは省エネ性を高めるのは難しいので、断熱や空調にも工夫しました。

米岡 : ダブルスキンガラスカーテンウォールもその一つですね。

清水 : 全面ガラスは、昼間は照明に頼らなくて良いほど明るいのですが、断熱性が低い。外気の影響を受けないように、ダブルスキンガラスカーテンウォールを採用しました。2枚のガラスの間の空気が夏は温められて上昇し、上部の空気口(開閉式)から排出されます。

米岡 : 冬は空気口を閉め、温まった空気がそこにとどまって暖房効率を上げてくれます。

清水 : さらに空間全体を空調するのではなく、足元だけを空調する床吹き出し空調を採用しました。

米岡 : 気流を感じないように、カーペットにあけた3mmほどの無数の穴から空調した空気が浸み出す方式も新しいですね。

清水 : 1階の一部の空調熱源には、地中で循環させて17℃程度に温度を調節した水道水を利用しています。また、換気で外気を取り入れる際にも、年間17~20℃程度に保たれている地下のピットを通して冷却あるいは温めてから各フロアに供給する仕組みを導入しました。

3階は多様な研究に対応できるフレキシブルな設計

米岡 : 3階は大学や異業種企業など、コラボレーションする研究者にも使いやすいラボラトリーになっています。

清水 : どんな研究にも対応できるように3階に研究室を配置しました。重い設備や機材の設置、温度や湿度管理、特定のガスや大量の電力などを使用する場合もあるので、特殊な設備は屋上に設置し、ダクトや配管はすべて屋上から引き込むようにしています。

米岡 : 当初から可変性はコンセプトにありました。毎回来るたびに表情が変わるような仕掛けも考えたいです。

清水 : TMCのさまざまな試みや先進の施設環境が、共同研究やプロジェクトを行うモチベーションになることを願っています。次回はそうしたクリエイティビティを刺激するデザインなどについて説明しましょう。

(後編に続く)