2019.05.11 INTERVIEW

つくば未来センター
設計者に聞く 
<後編>

建築事業本部 設計部長

清水 一夫

東日本建築事業部
設計部 意匠担当主任

米岡 真奈美

つくば未来センター(以下TMC)は、未来志向の研究施設にふさわしく、建物としても先進の機能を盛り込みました。「未来への設計図」の第1回後編は、デザインや新しい機能がクリエイティブな働き方にどのような効果をもたらすかについてお話します。

つくば未来センターの真価は、
これから試されます

エッジをたてたデザインが随所に

清水 : TMCはいろいろな意味で型破りな設計をしています。例えば1Fの床の自然石は模様が不ぞろいのものを使用しているのです。しかし、自然の素材感が独特の和みをもたらしてくれています。

米岡 : カフェのカーペットも最初「え?これですか」と驚きました。出来上がってみると清水部長が「デザインをはっきりさせないとまわりの自然石に負ける」と言っていた意味がよくわかります。

清水 : 米岡さんが一番苦労したのはどの部分でしたか?

米岡 : 大変だったのは正面外壁のアルミパネルのおさまりです。エッジをはっきりと見せたくて、切りっぱなしにしたため施工には試行錯誤しました。建物の顔になるところなのでシールの目地の深さにもこだわっています。気に入っているのはエレベーターホールのカラーリング仕上げです。

清水 : 今回は下地に布を張ってその上から塗装をしました。美術館の展示室などで使われている手法ですが、布地の質感が塗装だけでは得られない柔らかな表情を与え、しかも比較的安価に効果が出せます。

米岡 : 私のイメージですが1階は森や山、2階は水辺や海、3階は光で、仕上げの色を決めました。2階は淡い水色、3階は落ち着いたオレンジにしています。

季節を彩る植栽にも心くばりが

清水 : 一年間通していつも花が咲くように配慮したほか、香りのある樹々がお客さまを出迎えるように配置しました。香りは脳に刺激を与えてくれますし、クリエイティブな環境にはうるおいも必要です。

米岡 : 建物の後方は簡素に芝だけにするなどメリハリもつけていますね。

清水 : 季節を感じさせてくれるのはやはり植物ですから、グリーンがあるだけで気持ちに余裕が生まれるのではないでしょうか。特に1階は家具だけでなくプランターを入れて初めて空間が完成したと思います。

米岡 : こんなに印象が変わるのか!とびっくりしました。屋上緑化に使った芝は伸びにくいタイプを採用し、手入れを楽にしています。また、自動散水のスケジュールには、芝を甘やかしすぎないアルゴリズムを採用していると聞いています。