
入社年:2022年
建築事業本部
- 建築設備
- 五藤 綾美
2022年入社。衣食住について学ぶ家政学部で建築について学び、日本国土開発に入社。趣味は旅行で、お気に入りの旅行先は福島県。最近経験した「プチうれしい」は、自分の担当領域で利益を生み出せたこと。
- 建築設備
- 電気設備、空調設備、衛生設備など、人々が建物を使う上で欠かせない設備の施工管理を担います。
消去法で選んだけれど
五藤家の家族旅行では、ちょっと不思議な会話が繰り広げられる。
「このホテルは線の使い方が巧みだね。だから実際の寸法より広く見えるわけか」
建築士として長年のキャリアを持つ父が、空間の設計について呟く。
一方、自身は建築設備のエンジニアとしての視点で、建築物のディテールに注目する。
「スイッチやパネルが、一箇所に整然とまとまってる。この仕上げはさすがだなあ」

そう笑う五藤は、建築設備という仕事を気に入っている。
建物は、それを使う人のための設備が整えられて、初めて完成する。さまざまな電気機器を利用するための電気設備、快適に過ごせるようにするための空調設備、トイレやキッチン、浴室といった水回りの衛生設備。そうした、建物に欠かせない各種設備を、専門の業者さんたちと共に施工するのが五藤の仕事だ。

もともと、建築設備は消去法で選んだようなところがあるんです。
建築士として働く父親の姿を幼い頃から見てきた五藤は、進学先として建築が学べる学科を選んだ。イメージしていたのは父が携わっていた「設計」。建物の意匠(デザイン)を考え、設計図としてアウトプットする仕事だ。ところが、学べば学ぶほどに父親と自分との違いを痛感することになったという。


正直なところ『自分には向いていないなあ』と思って……。それでも建物は好きだし、建築の仕事をしたい。そんなとき、大学で紹介されたのが当社の建築設備の仕事でした。でも、やればやるほどに面白い仕事だなあと思いますよ。たとえば、こうやってドアを開けますよね。
五藤は扉を押す身振りを交えて話す。
建物に命を吹き込む、そのヒントはあらゆる場所に

部屋に入って、すぐ手が届くところに照明のスイッチがあるのが正解です。でも、押して開いたドアの裏側にスイッチがあったらすごく使いづらいですよね。実際の建物になったときのことを想像して、使う人に不便な思いをさせないようにするのも、私たち建築設備の大事な仕事です。
照明のスイッチがどこにあるか、誰も暮らしの中で気にしたりはしない。それは、五藤のような建築設備に携わる人々が検討を尽くしているからだ。
設備に関する図面だけでなく、施工や構造に関する図面とも照らし合わせながら、使う人の立場になって使いやすく快適な建物をかたちにしてゆく。


二次元の図面でこの検討をするのは大変です。だから、BIM(Building Information Modeling)も扱えるようになりたいと思っています。さまざまな情報を一元化して管理できるようになれば、使う人にとってベストな設備を、もっと効率よく提供できるようになるはずなので。
建築設備という仕事に出会い、経験を積む中で、五藤は「上を見上げることが増えた」という。

照明や空調など、建築設備の仕事ぶりは天井に見えることが多くて。『見せたくないものをうまく隠しているなあ』とか『ここは大変だっただろうなあ、どうやってるのかなあ』とか、仕事のヒントになるものがあるので、ついつい見上げてしまうんですよね。

五藤が携わる分譲マンションは、総戸数は100軒を超える大型のプロジェクトだ。自分の仕事の先にそれだけの数の生活がある。プレッシャーも大きいが、建物に命を吹き込む、建築設備の仕事の醍醐味も感じられるという。
使う人が、心から喜んでくれる建物をつくるにはどうすればいいか。そのヒントはあちこちに転がっている。五藤は街中の建物に目を配りながら、今日もアイディアを膨らませている。
五藤さんの「成長の軌跡」
1年目
入社から半年間、いくつかの現場をローテーションで回りながら、現場を経験する。
2年目
設備部に配属され、建築設備として勤務。現在は鉄筋コンクリート造のマンションと、鉄骨造の倉庫の2物件を担当する。日々新しい課題と向き合い、慣れない業務も周囲と密にコミュニケーションを取りながら奮闘中。