コンクリート完全充填システム(FCP)

概要

社会資本の維持管理・更新費が投資全体額の60%(2026年)に達する状況下、耐久性と構造物の安全性向上を図るため、コンクリート構造物の緻密性を向上させる技術が必要不可欠となっております。特に、目視確認が困難な箇所(トンネルやシールドの覆工コンクリート、柱や壁のハンチ部他)における充填性確認は、技術者や作業員の経験的判断で推測されていた現況を踏まえ、定量的・客観的に即時把握が可能な技術が必要とされております。
コンクリート完全充填システム(FCP)は、以下の2つのシステムから構成されています。

  1. 施工中に充填性をリアルタイムに把握できる計測システム
  2. コンクリートの充填が施工中に確認できなかった場合、その未充填箇所にセメントミルクを直接注入できる充填システム

 

 

 

特徴

コンクリート完全充填システム(FCP)には次のような特長があります。

  • 充填に影響を与える空気やブリーディング水を排除できる。
  • 打設時には、「(a)充填検知センサによる把握」と「(b)ブリーディング水排出状態の観察による把握」、打設完了2~4時間経過後にFCPピンを撤去した際に「(c)孔壁面の観察による把握(目視と金具等の挿入により触診で、未充填がないことを確認する)」、以上(a)~(c)の3方法による充填把握をできる。
  • 未充填が確認された場合、その時点で無収縮グラウト材等の充填をできる。
  • 充填検知システムのためのセンサやケーブルをコンクリート内に残置せず、回収できる。