水不足の「衝撃」
学生時代にニュージーランドに留学したとき「浄水は貴重だから、シャワーは5分までだよ」と言われ、驚いたのをまだ覚えています。
「水は蛇口をひねれば出るもの、使ってもなくならないもの」という日本の感覚は世界的に見れば稀で、なかには安全な水を手に入れることに苦労している場所もある……もちろん知識としては知っていましたが、先進国のニュージーランドも例外ではないと知って、がぜん「水」への興味が湧き、仕事にしたいと志すようになりました。
浄水の研究を行う企業、プラント設計の企業などを検討する中で出会ったのが当社、日本国土開発でした。
人々のくらしを支える「水」に携わる喜び
水の中に含まれるヒ素を除去する「機能性材料」の研究開発に携わることになり、最初は水に関する仕事ができるという喜びが半分、化学の知識が足りないことによる不安が半分……という状態でした。でも、学生時代の教科書で化学の基礎を学び直し、理解できなかった部分を先輩たちから学ぶという日々を過ごす中で、少しずつこの仕事に携わる喜びの割合が増えてきた気がします。
この技術は、実用化に向けた一歩を踏み出したばかりです。水質汚染に苦しむ人たちの生活を変えられるかどうかは、地球環境や人々のくらしに対する、私たちの想いにかかっていると思います。技術開発に邁進するのはもちろんのこと、その先にあるものの存在を忘れることなく歩んでいきたいと考えています。