土で過去を想像し、未来を創造する

土質グループ
亀井 瑞生

土を調べると、地球が分かる

小学生の頃に、地球温暖化についてのテレビ番組を見ました。地球の気温がこのまま上がり続けると、人々の暮らしに影響を与えたり、自然が破壊されたりする、といった内容でした。「これからどうなるんだろう」と、とても怖かったのを覚えています。

それから地球温暖化に興味を持つようになって、大学では環境問題を学べる学部に入りました。講義を受けているうちに知ったことがあります。それは、土を調べれば地球の歴史が解明できるということ、そして地球温暖化のこともわかるかもしれないということです。
こうした内容を扱う研究室に入ったことで、土と真剣に向き合うようになりました。

土は非常に複雑で難しい特性を持っています。逆にそれが面白くて、研究に没頭し始めました。その中で次第に、土を知的好奇心を満たすためだけでなく、社会に役立たせるために使ってみたいと思うようになりました。土木の世界ならそれが実現するのではないかと考えたのが、この仕事に興味を持ったきっかけです。

「やっかい」。だからおもしろい

仕事として土に触れるようになって驚いたのは、「やっかい」な土の多さです。水を吸うとドロドロになったり膨らんだりする土や、植物の根や廃棄物を含む土、有害な物質によって汚染された土など、多種多様の難題があります。

現在、建設現場で発生した多くの「やっかい」な土は再利用が難しいため廃棄されています。
一方で、建設に使いやすい砂を作るために山が切り崩されることもあります。これは環境へ影響を与えるため、廃棄されてしまう土を再利用し、有効活用していくことが重要です。
今後は、土の改良技術に関する研究開発を進めることで、地球環境の保全や工事の効率化にも貢献したいです。土はいい未来を作るための大きな可能性を秘めていると思います。

BACK