Vol.3

みんなでつくる、新しい街!

建設の現場ってどんなところ?
だれが、どんな仕事をしている?
日本国土開発の現場のことを
ありのまま、リアルにご紹介。
ちょっとかわいくデフォルメされた
登場人物の姿以外は。

今日はこのひとたちの日誌

ほぼマシコさん(若手)

2021年入社。以来、この現場で協力会社との工程調整、材料手配、ドローン測量などを担当しながら成長してきた。仕事のポリシーは、日々変化する状況に対応して、コミュニケーションを密に取ること、連絡調整を怠らずに管理すること。趣味はゴルフ、旅行、温泉。好きな土木構造物は道路と調整池。

ほぼミスミさん(中堅)

2014年入社。メガソーラーや霊園といった大規模造成工事、浄水場や大型調整池などの躯体工事などを手掛けてきた。そんな中で培われたポリシーは、現場の流れを止めないこと。趣味はゴルフ、サッカー、スノボー、ゲーム。好きな土木構造物は高速道路、コンクリート構造物全般。

ほぼイニシさん(所長)

1991年入社。この現場の所長を務める。道路改良工事や橋梁下部工など、公共工事に多く携わってきた。道路工事の開通式に参加し、自動車が走り始めたときの感動はいまでも心のなかに強く残っている。趣味はゴルフ。

ここはどんな現場?

──この現場について教えてください!

イニシ

ここは、およそ30ヘクタールの土地を工業用地として整備する「土地区画整理事業」の現場です。組合と伴に地権者の方や行政と協議をしながら、土地の区画を整えたりインフラを整えたりして、より住みやすい街をつくるんですね。この計画から施工までを、日本国土開発が担当しています。

──大きな物流倉庫も広い道もあるし、まさしくひとつの「街」ですね。

イニシ

物流の大動脈である国道からつながる新しい道をつくったり、水害を防ぐための調整池をつくったり、宅地を整備したり、新しく電線を引き込んだり……いろいろな工事をしました。私たちの他にも多くの協力会社の方が関係する大規模な現場です。

街の大動脈「22m道路」

──ピカピカの道で気持ちがいいですね!

ミスミ

「22m道路」と呼んでいます。土地区画整理事業のエリア内を南北につないでいて、北側は大きな国道に接続されています。国道の拡幅工事をやりながら、同時にこの22m道路を開通させるための工事もやる。いろいろな調整が必要で難しい工事でしたね。

イニシ

この道路が接続する国道は非常に交通量が多いので、拡幅工事ができるのは夜間だけでした。そこで、ミスミとマシコを含む3名が、それぞれ1週間ずつ交代で夜勤をしながら管理をしていったんです。

──それは大変そう。

マシコ

夜勤そのものが大変というよりは、自分の持っているバトンを次の人へスムーズに渡していく必要がある、というのが難しいところでしたね。

イニシ

昼勤・夜勤を交代で行うということはメンバー同士でそれぞれの仕事を引き継いでいくことになります。この状況を乗り越えるためには、自分の仕事を分かりやすく資料化し、メンバー同士が短時間で理解し引継ぎできるようにしておく必要があります。二人にとっては初めてのケースで苦労したと思いますが、チームワークで工事をスムーズに進めていってくれました。所長として見ていて頼もしかったです。

──なるほど。

ミスミ

イニシさんが要所要所でフォローを入れてくれて、何でも聞きやすい環境をつくってくれたのがすごく助かりました。自分もマシコのような若手が信頼してくれて、困ったときにどんどん相談してくれるような先輩でありたいと考えてきましたが、これからもそんな気遣いを忘れないようにしたいなと思いました。

イニシ

ミスミのように、ある程度経験を積んでくると「こんなことを聞いていいのかな」と躊躇してしまうこともあるかもしれないと思って、敢えていろいろなことに首を突っ込むようにしていました。「おせっかいなオジさんだなぁ」と思われていなくてよかった(笑)。

街の安全を守る「調整池」

──これは調整池ですよね。

イニシ

そうです。大雨が降って増水したときここに集めて、少しずつ川に流すための施設ですね。担当者としてここを完成まで持っていってくれたのが、マシコです。

マシコ

入社1年目の冬頃から担当になって、入社2年目の夏頃から一人で材料の手配や協力会社さんとの調整などをするようになりました。
「底版コンクリート打設」という調整池の底をつくる工程では、建設の仕事が「コミュニケーション」からできていることを痛感しました。

──というと?

マシコ

材料である生コンクリートをいつ搬入するか、その生コンクリートをどんな機械配置で、いつ打設するか、といったことを段取りしていても、雨が降ってしまったら調整のし直しです。関係する業者の方といち早くコミュニケーションを図って、次の手を考えないと工事が止まってしまうし、工期が延びていってしまいます。
毎日のように調整が必要で苦労もしましたが、いい経験をさせてもらったと思っています。

ミスミ

マシコには自分の担当箇所を持って「いいものをつくるんだ」という意識で、最後までやり遂げるということをやってもらいたいなと思ってきました。最初の頃のマシコは「とりあえず聞く」という感じでしたが、この仕事を通じて「自分はこう思うけれど、どうですか?」というふうに、いろいろと考えて動けるようになったと思います。

街づくりの楽しさ、現場の魅力

──みなさんのチームワークがこの広大な街をつくりあげてきたんですね。

イニシ

何十年も前に、私が初めて現場の主任をやったときのことです。検査の場で、検査官への受け答えを任せられました。質問が最前列に座る私に飛ぶんですが、初めてのことで緊張してしまい、自分では上手く答えられないこと、わからないことだらけで手も足も出ませんでした。検査が終わった後、検査に同席して頂いた技術部長が私のところに来て言ったんです。「何のために俺がいると思っているんだ。後ろを向いて『ここはよろしくお願いします』でいいんだ」と。

──なにもかも自分でやるんじゃなくて、みんなでやるんだと。

イニシ

そうです。それを聞いたときに、この仕事のやり方がわかったというか、すごく成長できた気がするんです。一人ですべてを背負うのではなくて、一人ひとりが与えられた役割を全うしながらも、支え合うことで現場が成り立っている。そういうことはもっとみんなに伝えていきたいし、実践していきたいと思いますね。

──新卒の頃からこの現場で育ってきたマシコさんにとって、特に思い出深いできごとはありますか?

マシコ

自分が作ってきた調整池が「グーグルマップ」で見られるんですよ。いろいろと苦労したし大変だったけれど、大雨のときに機能して地域を守っている。そしてその作り上げてきた構造物が衛星写真にも写っている……と思うと感慨深くて。

イニシ

道路ができあがってクルマが走り始めたり、信号が点灯したり。そういう瞬間の「あっ、できた」という達成感というか、充実感というか。これは、この仕事を始めて何年経っても「いいなあ」と思うんですよね。ミスミもそうでしょ?

ミスミ

そうですね。世の中に「同じもの」は一つとしてない。他のものとは条件も違うしプロセスも違って、自分たちのアイディアなり技術なりが散りばめられているんです。これは他では味わえない建設ならではの魅力だし、現場の面白さですよね。

マシコ

現場っていいですよね

ミスミ

いいよね……。

イニシ

いいよね……。

──……ありがとうございました!!

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