昭和ワープトンネル

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1985年に開業した横浜市営地下鉄3号線(横浜市営地下鉄ブルーライン) 三ツ沢下町駅の建設工事は、国道1号線の直下という厳しい条件下で行われました。
トンネルは幅約17m、高さ約11mと扁平な形状で、新幹線断面の約1.8倍という大きさです。地質は泥岩で、砂層も存在するため、地山の変位を最小限に抑える必要がありました。

トンネルの力学を効果的に応用した工法「NATM」

トンネルは幅約17メートル、高さ約11メートルと扁平で、この部分をシールド工法で施工した場合は2本の単線シールドをつなぎ合わせる「めがね型」の断面となります。しかし、経済性と施工性の面からは、1本のトンネルを掘るほうが有利であることから、NATM(ナトム)を採用しました。 NATMは、ロックボルトと吹付けコンクリートによって補強された地山自体がトンネルを支える工法です。 掘削地点の地山の性質、トンネル断面の形状などに基づいて解析を行い、吹付けコンクリートの厚さやロックボルトの長さ、本数などを検討していきました。 品質管理と変位観測を徹底しながら工事を進めることで工事は無事完了し、NATMが都市トンネルの築造における有力な工法であることを証明しました。

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