昭和ワープトンネル

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1964年に発生した新潟地震をきっかけに、問題視されるようになった液状化現象。“地震列島”でと呼ばれるわが国と切り離せないこの問題に、時代は立ち向かえる技術を望んでいました。そこで、日本国土開発株式会社と運輸省港湾技術研究所が共同で開発したのが、「事前混合処理工法」です。埋立に用いる土砂にあらかじめ少量の改良材と分離防止剤を混合することで工期短縮とコストダウン、高い品質を両立させ、液状化現象防止に貢献しました。

時代が待ち望んだ、新しい埋立工法

1964年の新潟地震で顕在化したのが埋立地の「液状化現象」でした。この問題の防止には埋立後に改めて地盤改良工事を行う必要がありますが、工期延長やコストの増大といった問題となっていました。 これらを解決するべく開発された「事前混合処理工法」は、土砂にあらかじめ少量の改良材と分離防止剤を混合した上で埋立を行うというものです。工期の大幅な短縮とコストダウンを実現するとともに環境への配慮も両立し、まさに時代が待ち望んだ新しい技術でした。

環境への配慮と施工性を両立させ、大プロジェクトの遂行に貢献

神戸・六甲アイランドで行われた施工実験では、分離防止剤の効果で水質汚濁が抑えられ、環境への影響が小さいことが証明されました。さらに、改良材の添加率を変えることで、必要とされる地盤強度を自由に設定できるという柔軟性も備えています。 強固な地盤を、早く、安く、そして環境にやさしく造り上げる。新しい時代のニーズをとらえた革新的な埋立工法は、ウォーターフロント開発や人工島築造といった大プロジェクトを支えました。

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