Technology

技術紹介

  1. 研究開発TOP
  2. 技術紹介
  3. 日本国土開発の目指すDX
Vol.2 土工事の計画を効率化するICTと三次元データの活用

日本国土開発の目指すDX

⽇本国⼟開発は、海外から機械技術を導⼊することで⼟⼯事の⽣産性を⼤きく⾼め、戦後の荒廃した国⼟の復興に貢献しました。
その後、⽇本の建設技術は成⻑しましたが、少⼦⾼齢化による人口減少や激甚化する⾃然災害などを背景として、いまふたたび⽣産性⾰命が求められています。


そのために、⽇本国⼟開発はデジタルの活⽤による建設の⽣産性向上を追求しています。⻑年、社員に蓄積された技術やノウハウをアナログからデジタルに変えた上で、⼈だけではなくコンピューターや機械が利⽤できるようにします。


これにより、当社が得意としてきた領域の競争⼒をさらに⾼めるとともに、従来の枠組みにとらわれない新たな価値の創出に挑み、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいきます。
※このページの記載した内容は、取締役会で決議された事項である「中期経営計画2024(2022-2024)」に基づく内容です。

日本国土開発はDXにおいて重要なのは「D」のデジタルではなく、「X」のトランスフォーメーション、すなわち事業の変容であると考えています。


建設は、機械の高性能化等により生産性を向上させてきたものの、基本的には個々人に蓄積されてきた技術に大きく左右される業態でした。これは、建設業が基本的にすべて「オーダーメイド」であることに起因します。すべての課題は現場特有のものであり、これを一人ひとりが過去の経験をもとに解決してきました。


デジタルはこうした建設業の業態を変え、生産性を向上させることに大きく貢献します。


過去の現場における課題や解決策のデータベースを構築 すれば、社員の誰もが会社に蓄積されたノウハウを活⽤できるようになります。また、現場から得られる多種多様なデータを活かして建設機械を効率よくオペレーションしたり 、事務作業の煩雑さを軽減したりすることも可能です。


「機械」の力を活かすことで「人」はより創造的な業務、すなわち価値や事業、技術、人材の創造などに取り組むことができるようになります。建設はより魅力的な仕事になり、社会にさらなる価値を提供できる業態になると考えています。建設DXこそが、日本国土開発にとっての成長戦略なのです。

  • 働き手、担い手不足、地域の課題解決のために
  • 働き手、担い手不足、地域の課題解決のために

    日本国土開発の「機械力」を活用し、建設機械の自動制御や遠隔操縦の実現に取り組んでいます。以下のような取り組みを通じ、人の五感に依存する建設機械の高度なアナログオペレーションノウハウをデジタルに変換。従来の施工方法から脱却する新施工システムの構築を目指します。オペレーションにAIを組み込んで建設機械を自動制御することが私たちの開発目標です。


    • 自走式ツイスターに含水比の高い粘性土を供給できるシステムを搭載する
    • 掘削・運搬・敷均し・締固めの一連の土工作業を1台でこなす重機、スクレーパを導入する
    • シールドシステムにグループ企業である国土開発工業が保有する独⾃のマシン製造ノウハウを適⽤する
  • 高度施工マネジメントシステムの構築に向けて
  • 高度施工マネジメントシステムの構築に向けて

    土木事業本部、建築事業本部と協力し、人に蓄積された高度な施工マネジメントのAI化を推進。AI化に向けては、建設機械の運転軌跡や操作履歴、給油情報などの施工データを収集して分析、ナレッジとして蓄積します。
    これにより、現場のマネージメントレベルを向上させ、品質、コスト、工期の優位性を保ち続けます。

  • バングラデシュ水処理事業でのチャレンジから、世界の水問題の解決のために
  • バングラデシュ水処理事業でのチャレンジから、世界の水問題の解決のために

    日本国土開発は、水中のヒ素を取り除く「機能性材料」を開発し、バングラデシュにプラントを2基設置して実証実験を行っています。
    2基目のプラントには、バングラデシュの企業であるVertical Innovations Limitedと連携し、IoT化されたセンサーと流量計を装備。WEB上で正確なデータをリアルタイムで確認できるようになりました。こうした取り組みを通じて、水処理プラント管理の遠隔化・省人化・無人化を推進していきます。

  • 事務作業の合理化について

    技術職の業務効率化に加えて、事業・経営戦略⽴案⽀援のためのBIツールや、デジタルシステムによりタスク管理を可能とした業務マニュアル等の導入を進めています。
    また、⼯事⽉報など社内書類の分析を通じた営業活動の⽀援も⽬指しています。

建設DXを実現し、⽇本国⼟開発の強みを発揮できるようにするためには、各事業部門が個別最適のデジタル化を⾏うのではなく、事業部を横断してさまざまなデジタルデータを収集し、全体に最適な仕組みを作り出していくことが求められます。
サステナビリティ経営本部 の直下に設置された「DX推進室」は、各事業本部と連携しながら全社的なDXを推進しています。

「実施」から得られるデータを見てみよう。

デジタル⼈材の育成・確保について

デジタル技術を活⽤できる⼈財育成を⽬指し、LMS(学習管理システム)などの教育⽀援、情報系資格の取得に対する資格報奨⾦の制定を⾏っています。
また、情報技術、ビジネスなどに関する勉強会を定期的に開催することで、技術、業務に精通した社内外の⼈財交流の場を創出。これにより、DXを推進するために必要な⼈財の確保、充⾜を図っています。

将来的なDXの実現に向け、当社では事業活動をデジタル化する「D」のフェーズと、それによってビジネス自体を変化させる「X」のフェーズに分けて各種施策を実行しています。

「実施」から得られるデータを見てみよう。

デジタル化フェーズ

事業活動にまつわるありとあらゆるデータをデジタル化して収集するフェーズです。
営業活動や事務処理など、アナログ的な手法が多く用いられていた業務にデジタルを採り入れ、業務改善に役立てます。
また、現場から得られるデータについてもデジタル化を推進し、施工の効率化に向けた技術開発に活用します。
データ利活用を全社的に推進するため、社内教育にも取り組みます。

トランスフォーメーションフェーズ

デジタル化フェーズの完了したものから、順次トランスフォーメーションフェーズへと移行します。
すでに営業活動や事務処理などの業務の一部をアプリケーション上から行えるようにし、業務負担の大幅な軽減を実現しています。
技術領域では、熟練エンジニアのノウハウや技術を誰もが活用できるようにすることを目指し、さまざまな研究開発を進めています。

91期〜93期実現事項と94期〜96期の計画

以下のような環境整備を行っています。


  • 基幹システムの導入とバージョンアップ
  • Microsoft Teams導入
  • ヘルプデスクの立ち上げ、運⽤、業務効率化
  • 災害時の対応
  • 情報セキュリティ規程変更に伴う対応
  • ペーパーレス化の推進
  • IT全般統制対応の実施
  • 境界型セキュリティからゼロトラストセキュリティへの変更
  • 情報セキュリティ監査の実施と定着
  • ITリテラシー測定の実施によるスキルの可視化と研修選定の実施
  • 情報系資格の取得に対する資格報奨⾦の制定