Story

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2023.12.05

建設の世界で活躍する、機械エンジニアのことを紹介します。

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建設の世界で活躍する、
機械エンジニアのことを紹介します。

機械エンジニアの仕事」と聞いて思い浮かべるのは、どんな業種でしょうか。自動車、航空・宇宙、ロボット、電機……。そこに「建設」はなかなか入ってこないかもしれません。
しかし、さまざまな機械を扱う建設は機械エンジニアにとって無限の可能性を秘めたフィールドであると考えています。特に「機械に強い建設会社」として、他にない機械を活用し、独自の価値を追求し続けてきた日本国土開発は──。
映像に登場する機械を通じて、機械エンジニアの仕事と成長をご紹介します。

ツイスター®

ツイスター、正式名称「回転式破砕混合機」は、日本国土開発が独自に開発した土質改良機です。回転するチェーンの打撃力によって土砂を破砕し、添加剤等と混合。従来は廃棄物として処分するほかなかった不良土と呼ばれる土の再利用を可能にします。

どんなふうに使う?

土質の改良がなぜ必要なのか。治水を例にご紹介しましょう。河川災害の防止と聞いて思い浮かべるのは堤防かもしれません。しかし、堤防の強度を上げるよりも重要なのは、河川そのものに対策を施すこと。降った雨を受け入れられるだけのキャパシティを持たせるということです。

河川の幅を拡げる、深くする。遊水地をつくる。さまざまな方法がありますが、ここで問題になるのが工事で発生する土砂。良質な砂質土はセメントの材料などとして再利用できますが、水を多く含んだ粘性土はそうはいきません。特にヘドロのような「高含水粘性土」は活用方法がなく、廃棄物として処理するよりなかったのです。

ツイスターの強みは、こうした土もバラバラにして添加剤とよく混ぜ合わせられるという点です。これによって築堤工事などに利用することが可能に。土を捨てる必要がなくなるので、運搬にともなって発生するコストやCO2を抑えることにもつながります。

機械エンジニアになるとどんな成長ができる?

機械そのものの知識はもちろんのこと、これを実際に現場で使っていくためのノウハウを得ることが可能です。

土質や現場の広さなどに応じて適切なマシンを選定したり、工事を進めるにあたっての施工計画やメンテナンス計画を考えたり。ご紹介してきたツイスターに代表される、現場のさまざまな機械・電気設備のスペシャリストとして、縦横無尽に活躍できます。

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スクレーパ

スクレーパは、現場をハイスピードで走行し掘削・運搬・敷均し・転圧という4役を一台で担う機械です。カナダのK-Tec社製で、グループ会社の国土開発工業が保有しています。
通常は、バックホウ(油圧ショベル)が掘削を、ダンプカーが運搬を、敷き均しをブルドーザーが、転圧を振動ローラーがそれぞれ行いますが、これらの機能を集約させることで工期の短縮とCO2削減を実現します。

どんなふうに使う?

主な活躍のフィールドは、メガソーラー建設や宅地造成、土地区画整理事業などの大規模な土工事の現場です。土工事とは読んで字のごとく「土を使った工事」のこと。土をどこからどこへ、どんな方法で運ぶのかという「土配計画」をもとにして、このスクレーパを含むさまざまな機械の中から適切なものを選択して施工をしていきます。

ちょっと難しそうな図ですが、こちらをご覧ください。縦軸は1時間あたりの運搬土量(㎥/h)。横軸は運搬距離です。建設機械によって得意領域があるのがわかります。スクレーパが得意とするのは、ピンクで示した運搬距離100m以上、500m以下の領域。青で示した通常のダンプトラックよりも同じ時間で大量の土砂を運搬できています。

この特性から、広大な現場で大量の土砂を運搬するような現場での工期短縮やコスト削減に大きな効果を発揮。千葉県の茂原市で手掛けたメガソーラー施設の造成工事は、290万㎥を切土し、260万㎥を盛土するという大規模な案件でしたが、さまざまな悪条件が重なったにもかかわらず期間内に工事を完遂。ここにスクレーパが大きく貢献しました。

機械エンジニアになるとどんな成長ができる?

機械を起点として、土質のことや工法のことなど、建設に関する幅広い知識が身につきます。

建設機械のプロフェッショナルとして、ともに仕事に取り組むのは土木・建築のエンジニアやマシンのオペレーターをはじめとした、さまざまな分野のスペシャリストたち。彼ら、彼女らとの協働を通じて、プロジェクト全体を見通すことのできるエンジニアへと成長できるはずです。

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シールドマシン

シールドマシンは、地中奥深くでトンネル(鉄道、道路、上下水道)などの掘削を行う機械です。先端部分で土砂や岩盤を掘って機内に取り込み、「セグメント」というトンネルの外殻を組み立てながら前へと進んでいきます。
日本国土開発は、グループ会社の国土開発工業でマシンの設計・開発・製造を行なうという建設業界でも珍しい存在。現場に最適なマシンを投入することで、高品質・確実な施工を目指しています。

どんなふうに使う?

下水道を例にご紹介します。
近年多発する豪雨、それにともなう洪水などに対応するため、各地で下水道の整備が進められています。都市部で下水道工事を行う場合、地上から地面を掘って下水道管を埋める「開削工法」では、道路上を長く占有する必要が生じます。これに対し、シールドマシンを使う「シールド工法」はマシンが発進する部分に敷地を確保すれば、長い距離でも地上に影響を及ぼすことなく掘削が可能。広く用いられる工法になっています。

シールド工法は大きく「泥水式」と「泥土圧式」のふたつに分けられます。
前者の「泥水式」は薄い泥水を切羽(先端部分)に送り込み、掘削した土と混ぜて高濃度になったものを機内に取り込むという方法。土砂を流体として扱うのが特徴です。
後者の「泥土圧式」は土をそのまま取り込む方法。地下水に対抗できるよう、添加材と土砂を混ぜ合わせることで、固すぎず、柔らかすぎずの状態にしてから扱います。

機械エンジニアになるとどんな成長ができる?

インフラ整備のプロフェッショナルとして、防災・減災に関する大規模なプロジェクトに参画することができます。

必要とされるインフラをいち早く提供するために、プロジェクトをどのように進めるべきなのか。機械をどのように活用するのか。考えることは多くありますが、人々の安全な暮らしを守るというこの仕事は、エンジニアとしての計り知れない達成感を与えてくれるはずです。

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