研究開発棟に使用されている技術
研究開発棟には、執務環境改善と環境負荷低減を目的としたさまざまな技術を採用しています。
執務環境改善のための技術
空間を効率よく空調する「床吹出し空調」
フロアの床下空間に空調空気を吹き込み、OAフロアのパネルやタイルカーペットに設けられた細かい孔から吹出す滲出し空調方式です。風を感じない優しい空調を実現しました。

光環境で知的生産性の向上と省エネを図る「照明自動制御」
オフィスは自然光を生かしながら、照度センサーで明るさを自動調整します。エントランスホールは生体リズムに合わせたサーカディアンリズム照明を採用し、時間に合わせて自動で調光・調色を行います。

放射と対流で快適さを保つ「輻射冷暖房」
空調の吹出しによる不快感をなくし、放射と対流による温度伝達で快適空間を創り出します。地中熱ヒートポンプと併用することで、省エネ化と室内の快適性を両立しています。

自然光あふれる明るく快適な「高天井」
2階オフィスは規格外の天井高さ4.32mをとっています。天井材を張らず、ワークプレイスを自然光あふれる明るく快適な空間に改善することで、生産性向上に貢献します。

環境負荷低減のための技術
全フロアの床に採用された「CfFA混和コンクリート」
石炭火力発電所の廃棄物からカーボンを除去した新素材「CfFA」を混和することで、ひび割れが少なく、時間とともに強度が上がる低炭素コンクリートを採用しています。※CfFA…Carbon-free Fly Ash

快適なオフィスを実現する「ダブルスキンガラスカ-テンウォール」
二重のガラスの間の空気が、夏は温められて上昇し、上部の空気口から排出されます。冬は空気口を閉めることで、ダブルスキンが断熱層として働き、空調効率を高める技術です。

省エネ&CO2排出を削減する「地中熱ヒートポンプ」
地下100mに埋設した熱交換チューブを通して、年間の温度がほぼ一定の地中へ夏は放熱し、冬は採熱することで冷暖房の省エネ化を図るとともに、大気への放熱がない地球環境に優しいシステムです。

ムダのない照明計画を実現する「タスク・アンビエント照明」
東西面を全面窓にして最大限外光を取り入れたオフィスは、控えめの照度で部屋全体を照らすアンビエント照明と、局部的に作業面を明るくするタスク照明に分け、タスク照明を離席時にこまめに消灯することで照明の省エネルギー化を図ります。

屋根の断熱性能を向上させる屋上緑化
2屋根の断熱性能を向上させる屋上緑化。屋根防水の更新に配慮し、植栽と土壌をユニット化するとともに、自動で調整された灌水システムを採用してメンテナンス性を高めています。

クリーンなエネルギーを供給する「太陽光発電」
BCP対策や建物の省エネ対策として、太陽光エネルギーを活用しています。騒音やCO2排出量が少ないクリーンな再生可能エネルギーであり、建物に付加価値を与えます。

湿度をコントロールし快適さを保つ「デシカント空調」
夏は外気を除湿して取りこむことで室内の湿度を抑えるため、クールビズ時の28℃でも、より快適に過ごすことができます。従来の空調に比べ省エネルギー性に優れます。

年間の冷暖房負荷を低減する「クール・ヒートトレンチ」
外気を地下の空間を通すことで、夏は冷却、冬は加温して建物内に取り込みます。自然エネルギーである地中熱を利用して、年間の冷暖房負荷を低減するシステムです。

人にも環境にも優しい「エコマテリアル建材」
つくば未来センターは、エコマテリアルの建材を多く採用しています。 <再資源化された混和材の利用> ・加熱改質フライアッシュCfFA(各階床スラブ):低炭素杯2014 最優秀ソーシャルイノベーション賞 <リサイクル建材> ・ロックウール(事務室天井及び断熱材):グリーン購入法特定調達品目 ・タイルカーペット(研究室床):エコマーク認定(類型番号123) ・ウッドデッキ(屋上通路):エコマーク認定(類型番号137) <有害物質を含まない建材> ・EP塗装(屋内壁・天井):化学物質排出把握管理促進法の対象物質を含まない <ノンフロン> ・発泡硬質ウレタンフォーム(断熱材)

ソリューションを見る
環境保全のための技術
「つくば市緑の基本計画」に則った「敷地内緑化」
シンボルツリーであるけやきなど自生種を多く採用。また、通路には、香りのする樹木や年間を通して花が咲く樹種を選定し、四季の移ろいを楽しめるようにしています。

建物による風害を起こさない「風環境保全」
建物の完成後、周辺に風害が起きないように風環境解析を行いました。気象データをもとにしたランク付けでは風害はなく、建築後の風環境ランクが一部向上しました。

その他の技術
メンテナンスフリーな免震装置「ゆれガード®」
特殊な補器類を使用せず、仕上げ高200mm以下の省スペース性と積載物の位置や重量に左右されない性能を発揮。日本建築センターにその信頼性が認められた唯一のシステムです。

振動実験装置
最新の永久磁石方式動電型で、低CO2の環境にやさしい三次元振動台です。建設業界にとどまらず幅広い分野の振動問題に対して評価を行い、社会貢献につながる開発を行います。

耐震性に優れ、長大スパンを実現できる「CFT工法」
柱断面が小さく、より広く高く自由な空間を実現する「CFT造(コンクリート充填鋼管造)」を採用。鉄筋や型枠が不要なことから工期の短縮と廃棄物の削減にも貢献します。

早期復旧を可能にする「BCP(事業継続計画)対応」
インフラ停止後も衛生設備、一部の照明・コンセントに72時間電力を供給できる非常用発電機と蓄電池を備えた太陽光発電を設置。また、下水道が使用できない場合を想定して汚水槽を設けるなど、災害時の事業継続や早期復旧に向けた対策を施しています。
