昭和ワープトンネル

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横須賀火力発電所は、東京電力が三浦半島の久里浜海岸に計画した、総出力263万キロワットの当時世界最大級の火力発電所でした。
海岸を埋め立て、総面積23万坪に及ぶ発電所の敷地を造成するための土取場掘削と土砂運搬工事が発注され、鹿島建設、西松建設、当社がそれぞれ3工区に分割されての特命受注となりました。

爆薬による発破が一般的だった泥岩掘削

現場付近は三浦半島一帯に広く分布している土丹と呼ばれる泥岩層です。 泥岩は一軸圧縮強度5〜10MPa程度のいわゆる軟岩として、現在ではリッパ工法による掘削が普通の工法ですが、当時の掘削技術の主流は未だ軟岩でも発破工法による掘削が一般的でした。

未知の工法「リッパ工法」

泥岩はその特性として強度は低いものの亀裂のない粘り気ある軟岩として、爆薬の効果が薄い岩種。当社はアメリカにリッパという油圧で軟岩を破砕する機械があることを情報として仕入れており、その研究を重ねていました。 誰も見たことのない未知の工法でしたが、当社はリッパと泥岩の特性を鋭く捉え、その採用に踏み切りました。

他社に先駆け、リッパ工法を導入

そこで当時最新鋭のキャタピラーブルドーザーD8を3台、D9を1台導入し、それぞれに取り付けた一本爪リッパーによる岩掘削を日本で初めて採用しました。 危険な発破などを使用せず人力を低減でき、粒度のばらつきが少なく良質な盛土材として効率よく施工できるリッパ工法は業界の注目を集め、一般的な工法として広まっていくこととなりました。

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