地盤改良の効率化技術
なぜ地盤改良が重要なのか
建物や橋、堤防、道路など、構造物を地面に据え付けるためには、土台となる「地盤」がしっかりとした強さを備えている必要があります。しかし、場所によっては水分が多く泥のようになっていたり、逆に柔らかい岩のようなものが混じっていたりして、そのままでは工事ができないことが多くあります。
こうした工事に適さない土を改良し、構造物を安全に設置できるようにするのが「地盤改良」です。

軟弱な粘性土
水分を多く含んでいてやわらかい。構造物を据え付けると沈み込んでしまう。

高スレーキング
柔らかい岩の中に空洞がある。雨が降ると内部の空洞がつぶれてしまい、地盤沈下を引き起こす。

地下茎、がれきまじり
草木の根やがれきなどが土に混じっており、構造物の土台として使用することができない。
地盤改良に効率性が必要な理由
地盤改良にはさまざまな方法があり、場所に応じて最適な方法を選択します。しかし、いずれの場合も問題になるのは、工事に適さない土をどのように処理するのかという点です。土を運んだり、処理したりといった工程ではCO2が多く発生し、コストや時間もかかります。

工事に適さない土を別の場所へ運ぶために、CO2が発生する。

工事に適さない土を別の場所へ運ぶコストがかかる。
日本各地で多様な土と向き合ってきた日本国土開発は、この問題を解決し、地盤改良を効率化するための技術「回転式破砕工法」を独自に開発しました。
地盤改良を効率化する回転式破砕混合工法
この工法は、工事に適さない土をこまかく破砕したり、改良剤を混ぜあわせたりすることで、工事に適した土へと効率よく作り変えるのが特長です。これまで捨てられていた土を再利用することができ、経済性の面でも環境への配慮の面でも大きく社会に貢献しています。

軟弱な粘性土を処理
回転式破砕混合工法では、円筒内で回転するチェーンの打撃力で土砂をこまかく解砕します。2材、3材とさまざまな土を混ぜることができるので、粘性土を効率的に改質することが可能です。

高スレーキングの土を処理
通常の地質改良機では処理できない軟岩も、円筒内のチェーンで容易に破砕が可能です。工事に適さない高スレーキングの軟岩も、地盤として利用可能な土へと改良します。

地下茎・がれきまじりの土を処理
地下茎や瓦礫、ごみなどを分別する振動ふるい機や風力選別機を備えています。これにより地下茎やごみを取り除いた上で、工事に適した改良土にすることができます。

工事に適した良質な土に
細かく破砕したり、他の土や添加剤などと混ぜ合わせたりすることで、工事に適した良質な土へと生まれ変わらせることが可能です。
回転式破砕混合工法のしくみ
ツイスターは、土砂供給機、土砂を運搬・計量するベルトコンベア、回転式破砕混合機から構成されています。各部に、さまざまな現場で得られたノウハウが投入されています。

土砂・添加剤投入部
原料土を投入して、他の土と混ぜ合わせます。土質に応じて、2材・3材を追加することもできるほか、サイロを設置して、添加剤と混合させることも可能です。

土砂運搬・計量用ベルトコンベア
土砂はベルトコンベアで搬送します。設置した計量装置でリアルタイムに計量を行い、

回転式破砕混合機
円筒内で高速回転するチェーンの打撃力により、軟岩やがれき、粘性土といった土を破砕・混合します。求められる品質に応じてチェーンの本数や回転数を変え、均一な品質の改良土をつくります。

操作部
目標の配合、製造量と土の含水比を入力し、運転ボタンを押すだけで改良土の製造ができます。 各種センサーの情報をもとに自動で配合、搬送量を調整しています。自走式は、専用のタブレットで離れたところから運転ができ、作業の省力化、効率化を可能にしています。
回転式破砕混合工法の機種バリエーション
さまざまな現場で使いやすいよう、大規模・大量施工に適したプラント型から、狭い場所での施工に適した自走式まで、多彩なバリエーションを開発しました。

定置式
大量の土砂を連続して処理することが可能。2材・3材といった原料土の種類、添加剤の追加などさまざまな組み合わせに対応し、良質な土を効率よくつくりだすことができます。

自走式
現場での組立を不要とすることで、狭い現場でも使用可能としたタイプ。油圧モータではなく、電気モータでクローラーを駆動する方式を採用することで、環境に配慮しています。