なんでもできる
エンジニアに

学校で土木にまつわる勉強をしたのち、その知識を活かして働く社員がいます。
学校で学んできたことを活かして、どう成長してきたのか。その軌跡をご紹介します。

蕨 裕美

入社年:2019年

土木事業本部東京土木部

高等専門学校の土木学科を卒業後、大学で都市計画を学ぶ。現在はメガソーラーの造成現場で測量やICT建機の運用などを担当。休日はテレビ三昧だが、コロナ禍前は東北の観光地巡りをしたりご当地食材を食べたりと、アウトドア・インドアの両方をエンジョイ。

※ 所属等は2021年9月現在のものです

蕨さんの職種「施工管理者」とは

ものづくりの最前線で、工事がスムーズに進むよう指示・調整を行う現場監督。
原価、品質、工程、安全などさまざまな要素を把握できる、高度な専門知識や経験が要求されます。

現場には、学んできたことの答えがある

例えばひとつの街を開発するとき、それを計画する人がいる。実際にものを創る人として、測量をする人や、敷地を造成する人、構造物をつくる人、全体を監督する人もいる。自治体や住民の方、さらには現地の動植物もいわば「関係者」。かくも多くの要素が絡み合うものなのだ。
蕨が大学で学んでいたのは「都市計画」。さまざまな開発の大元になるプランを作成するというものだ。

高専では土木を学んでいたのですが、インターンで都市計画に興味を持ち、都市計画を学ぶために大学へ編入することにしたんです。研究室で図面を作ったり、研究対象の都市を見に行ったり。当時からアウトドア、インドア両方で動き回っていましたね。

いま蕨が担当しているのは、千葉県某所で開発が行われているメガソーラー施設の施工に関する業務だ。UAV(ドローン)を飛ばして現場の進捗や施工前の現況を把握。さらに、設計図面から排水を考慮し高さを持たせた法面(のりめん:人工的な斜面のこと)のデータや、造成面のデータを作成し、これらをICT重機に読み込ませて運用し、施工状況を確認している。地元の住民の方からの要望を聞いたり、工事の進捗状況を説明したりするのも、蕨をはじめとした施工管理者の仕事。日々、現場の外を、中を飛び回っている。

すべて学生時代に学んできたことの延長線上にあると思います。その上で、毎日「勉強していたのはこのことだったんだ」という気づきがたくさんあります。コンクリートの種類、締固めの工法の選び方。知識として知っているだけではなく、どう使えばいいのかを現場で身につけていく。答え合わせのようで、毎日たくさんの発見があります。

建設の魅力をもっと知りたい、分かち合いたい

現場に立つことは、もちろん苦労もある。夏は暑く冬は寒い。完璧だと思った3D図面をICT重機に読み込ませたはずが、うまくいかないこともある。天候によるスケジュールの変更、業者さんとの調整などもよく起こる。
それでも、自分の携わった作業が実際のかたちになっていく様子を見るのは格別の気分だという。

ICT重機が動くことで、ただの3D図面でしかなかったものが、実際の法面の形状に変わっていくところや、私がUAVで撮影した写真から作ったオルソ画像(空撮写真をつなぎあわせて作った地理空間情報)が打ち合わせに活用されている様子などを見ると、ものづくりに携わることの喜びを実感します。楽しいですよ。

計画から施工まで。地上から上空まで。大きな構造物から、小さな工作物まで。

まだまだ道のりは長くとも、蕨の中でさまざまな点が線につながり、さらには面になり、立体へと像を結ぼうとしている。

最初の現場も、いまの現場も太陽光発電の造成工事でしたが、橋脚工事やシールド工事にもチャレンジしたい。引き出しをもっと広げたいです。人によって得意分野はあると思いますが、私はいろいろな分野の能力をバランスよく伸ばして、なんでもできるエンジニアになりたいと思っています。

「なんでもできるエンジニア」を目指す蕨には、もうひとつ夢がある。それは、建設業界を、女性がもっと活躍できる場にするということだ。

いまはまだ女性エンジニアが少ないのが実情で、「珍しいね」と言われることが多いのですが、技術の進化によって女性の活躍の場はもっと増えていくと思います。女性からも「ステキな仕事」と思われるようにしていきたいですし、それだけの魅力がある業界のはずなので。

さまざまな手段を使い、たくさんの人の力を借り、あらゆる場所を縦横無尽に駆け回りながら、ものづくりをする。そんな建設業界の魅力をもっと知りたいし、もっと多くの女性たちとも分かち合いたい。蕨はそう考えている。

蕨さんの成長の軌跡

1年目前半

東北で開発が進んでいたメガソーラー施設の現場に配属。太陽光パネルのコンクリート基礎を打設するための測量や、架台の位置出しに関する測量業務に従事。

1年目後半〜現在

千葉県のメガソーラー施設の開発に、初期から参加。造成や地盤改良、仮設防災敷設後の測量業務のほか、UAVを使った測量、ICT重機の運用なども行う。